うつの焦燥感、イライラは不安な気持ちから出てくる症状

うつがひどくなってしまうと、元気や気力が無くなってしまい、落ち込みや憂鬱な気分が強くなり、運動量や活動量も減って、どちらいうと動きがなくなりがちと思われています。

実際そういう症状になる人は多いのですが、一方で一見逆のように見えてしまうケースもあるのです。

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うつで焦燥感やそわそわ感により落ち着きがない状態になる症状もある

うつの症状として、はっきりとした理由もないのに強い焦燥感を感じてしまったり、そわそわしてしまうことがあります。ジリジリと嫌な焦りのような感覚やイライラを強く感じるようになり、それが耐えられず激しい貧乏ゆすりをしたり、ウロウロと歩き回ったり、という行動に出てしまうこともあります。

一見すると、落ち着きが無くなったように見えるので、一般的に思われているうつの症状とは逆に思えますが、うつにはこういう症状の出方もあるのです。

この場合は、「具体的に何かをしよう」と思って動いているのではなく、なんだか理由のわかならない焦燥感やイライラが耐えられずに貧乏ゆすりや歩き回るなど体を動かして紛らわそうとしているだけなのです。

うつの焦燥感の原因は強い不安感などによるもの

この理由のわからない焦燥感の原因は、『うつの感情の障害』によるものと考えられています。

【参考】うつは気分の落ち込み以外にも不安やイライラ、つらい感情も

感情の障害によって強い不安感を始めとしたネガティブな感情を感じますが、人によってこの不安感などが焦燥感として現れてしまうのです。あるいは不安な状態をなんとかしたいという反応が焦燥感を生み出しているのかもしれません。

うつのときに脳内でどういうことが起こっているのか解明されているわけではないので正確にはわかっていませんが、じっとしていられないほどの焦燥感も、感情の障害により脳がネガティブな反応をしてしまうことで引き起こされているのは間違いないと思います。

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うつの焦燥感のせいで攻撃的になったりすぐ八つ当たりするようになってしまうことも

このうつによる焦燥感やイライラ感は、場合によっては単に落ち着きが無くなるだけでなく、怒りっぽくなって、すぐ周りに八つ当たりするなどの攻撃性が高まることもあります。

普通でも、腹の立つ事があってイライラしていればその時は怒りっぽくなるものです。しかし、うつの場合はイライラや焦燥感がずっと続いて1日中耐えがたい焦燥感を感じ続けているわけです。ですから些細なことでも気持ちが爆発してしまうようになり、攻撃的な人に変わってしまったように見えてしまうのです。

また、怒りっぽくなる、当たり散らすようになるなどの衝動的な行動をとるのは、感情の障害以外のうつの要素も影響しています。

人間は脳の『前頭前野』という部分が、「衝動性」の制御をしています。そして前頭前野が衝動性の制御をするには、脳内物質の「セロトニン」が必要になります。

しかしうつになると、前頭前野は委縮してしまい活動が極端に低下してしまいます。同時に脳内のセロトニン分泌量も大幅に減ってしまいます。このため脳の中で「衝動性」の制御が不能になり、「衝動性」を抑えることができなくなってしまうのです。

ですから、爆発してしまった感情はそのまま表に出てきてしまうのです。

さいごに

このようにうつといっても落ち込んだり憂鬱になって動きが減ってしまうだけでなく、逆に動きだけみると増えてしまう症状の出方もあるのです。

最近、理由がはっきりわからない焦燥感やイライラが強くなってきたと感じるなら、うつの可能性もあるかもしれません。

もちろん、それだけでうつという訳ではありませんが、眠れなくなったり、考えがまとまらなくなったりといった他の症状もあるようなら、一度精神科やメンタルクリニック、あるいは心療内科などの専門医専門医に診察を受けた方がいいです。

専門医は、他の症状などを含めて総合的に診断をしてくれますし、早い段階で診察を受ければ、それだけ早くに手を打つことができ、重くなる前に治療を始めることができます。

単なる気分の問題で片付けず、脳の病気かもしれないと考えてみてください。

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