セクハラの判断基準はどこから?スキンシップはグレーゾーンか

私は同性異性問わず、話をするときには声をかけたりしながらよく気軽に肩を叩いたりしている。半分無意識でやっているところもあるのだが、先日同僚から『女性に対してはボディータッチをするのは気をつけないとセクハラと言われるぞ』と指摘されてしまった。

私としては特に深い意味というか変な気持ちでやっているわけではないのだけれど、ただのスキンシップのつもりだとしてもセクハラと言われてしまうだろうか?

だとすれば、どこからがセクハラになるのだろう?

そんなあなたの疑問についてです。

スキンシップ自体は悪いことか?

スキンシップ自体は、触られた方も触った相手に好意を持ちやすくなる事は実験でも証明されています。ただし適切なタイミングで適切な触り方であることが重要です。そうでない場合は逆に反発を招きます。

それなりに親しい間柄で、会話が弾んでいる時なら比較的抵抗なく受け入れてもらえます。ただし、きわどいところを触らないのはもちろんのこと、あまり頻繁に触るのも良くありません。

肩を抱いたり握手をするタイミングでもないのに手を握ったりというのはスキンシップとして重すぎます。無難なのは、やはり肩を軽く叩く程度です。

そもそもセクハラとはどういうもの?

セクハラ(セクシャル・ハラスメント)というのは「性的嫌がらせ」のことだというのは今や常識ですね。これは『嫌がらせをされる側にとって望んでいない不快な行為』が性的に行われることです。

胸やお尻など相手が嫌がるとわかっていて触る、性的な言葉を言う、女性に対していやらしい視線を向ける、また嫌がる相手にしつこく交際を迫ったり、自分の立場を利用して関係を強要する……、というのはわかりやすいセクハラです。

「まだ結婚しないのか?」とか「子供はまだ生まれないのか?」なんて言うのもアウトです。以前どこかの議員が議会中に言って問題になりましたね。

またスポーツ新聞のエッチな記事を女性の前で広げて、女性を嫌な気分にさせるのもセクハラになります。

しかしこういうわかりやすいものだけがセクハラと言うわけではありません。

スキンシップは相手次第ではセクハラになることも

では今回同僚に指摘された「肩を叩く」などのスキンシップは、セクハラの観点で見た場合どうなるんでしょう?

セクハラは、嫌がらせを受けていると相手が感じたらアウトです。たとえ肩を軽く叩いた程度でも、相手が嫌だと感じたらセクハラと受け止められてもおかしくありません。「この人やたらと私に触ってくる」と感じられたら、セクハラと主張できるのです。

つまりセクハラの基準は個人によりばらつきがあるのです。先ほど挙げたような明らかなセクハラ行為は、誰が見てもセクハラですが、微妙なボーダーラインは個人の感覚とその相手に持っている感情次第で変わってくるのです

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同じことをされたとしても、自分が好意を持っている人からならば平気だけど、逆に好きでもない人からだと嫌だと感じてしまう、ということはよくあることなのです。これがセクハラのボーダーラインな行為であれば『セクハラ』だと言われてしまうのです。

また、「その行為をしている人に下心があるのかどうか?」、という点も大きく影響します。特定の相手にだけ、または若い女性にだけスキンシップをしてくる、というような人ならそれは下心があるように思われても仕方ありません。

逆に男女問わず、人を選ばず誰にでも同じようにスキンシップをしてくれる人なら、「こういう人なんだな」と思われて大目に見てもらえることもあるかもしれません。しかし基本は受け手がどう思うかなので、たとえ下心がなかったからといってもセクハラと言われない保証はありません。

特に男性と接することに慣れていない女性であれば、ちょっと肩を触られただけでも激しく反応してしまうかもしれません。

なんでもセクハラと主張できるもの?
ちなみに、何でもセクハラと主張することができるのか?と言うと、『平均的な女性労働者の感じ方』という厚生労働省のガイドラインがあって、これを基準としてセクハラかどうか判断されます。つまり嫌だからといって、やることなすこと全部セクハラと主張しても、すべてセクハラと認定されるわけではありません。

ただし相手に触る行為は、軽いスキンシップのつもりでもセクハラ判定される可能性が高いです。

疑われかねない行為は避けた方が無難

職場などでは様々な人がいるので、人によってどういう取られ方をするのかわからないです。ですから紛らわしい事はやらない方が良いのは間違いありません。たとえあなたが万人に好かれるようなキャラだと自負していても、たとえあなたがそんなつもりは全くなかったとしても、受け取る側がそう思ったらアウトなのです。

女性は男性の顔を立ててくれる面もありますから、最初は露骨に嫌な顔をしたりせず、流してくれるかもしれません。あるいは、軽く「セクハラですよー」と冗談めかして言ってくる程度かもしれません。特に男性の方が立場が上なら、こうなりがちです。

この段階で止めておけば穏便に済むのですが、気づかず続けてしまう、もしくはエスカレートしてしまうと、ある時爆発して大きな問題になってしまいます。

このような事態にならないためには、平均的な女性が『どういう行為をどういう風に感じるか?』というのを理解しておく必要があります。

今は会社の社内規定などでセクハラを厳しく禁止しているので、相手から通報されてしまえば面倒なことになるのは確実です。あなたにそのつもりはなくてもセクハラ認定されてしまえば懲罰を受けるとこになってしまいます。たとえ最終的にあなたの主張が認められたとしても、それまでに多大な労力を費やし、周囲からの目も変わってしまいその後働きにくくなってしまうでしょう。

やはり「触らぬ神に祟りなし」という諺があるように、ボディータッチはしないほうが安全ですね。

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